古事記というと実は子供の頃から読もうとして挫折していた本でした。
当時、読んで記憶に残ったのは「イザナギとイザナミによる国産み」や「因幡の白兎」あたりの話のみでした。
5年ほど前から「神話を失った国は滅びる」といった危機感から再び書物を買って読みこなそうとしましたが・・・
やはり、アマノミナカヌシから始まる神々の部分を読むと「なんでこんなに複雑な名前が脈々と続くのか・・・」と心が折れそうになりますね。
この神々の名前を「やまとことば」という観点から読み解くと全ての神の名前には意味が込められているということを絵本で解いたのが「絵本やまとことば神話」です。
元々、古事記は日本書紀に先んじて変遷されたものの、日本書紀が正規の国史として取り扱われた一方で、対照的に封印されたような形になってしまいました。
これは「やまとことば」で書かれたものを全て漢字で表現していたからと言われていますが、すでに原書は存在せず、今日残っているのは写本(最も古いものは、室町時代のものだそうです。)のみで、封印されたままになっていました。
こんな書物を掘り出して世に送り出せるように35年もの年月をかけて解読したのは、江戸時代の国学者である本居宣長でした。
本居宣長さまさまですね。
さて「絵本やまとことば神話」に話を戻すと、
この絵本では・・・
「天地初めて開しとき、高天原に成れる神の名は、天之御中主神。 次に高御産巣日神。次に神産巣日神。
この三柱の神は、みな一人神となりまして、身を隠したまひき。」
の部分を以下のように、神々の名前をやまとことばから掘り起こして理解を深めることができるように構成されています。
アメノミナカヌシ 天御中主:宇宙の中心
タカミムスヒノカミ 高御産巣日神:カム(噛む)・ムス(産す)もので+タ(+)⇨陽
カミムスヒノカミ 神産巣日:カム(噛む)・ムス(産す)もの⇨陰
この部分を読むと、食事の時には良く「噛む」ことが神にも通じるし、健康にも良いことを再認識させられます。
次の五柱の神の話は次回に。
弥栄