REIWAに「弥栄!」

    平成の30年間、サラリーマンとして仕事に生きてきました。 REIWAに入って生き様を見直しながら日々、雑感したことを書き連ねます。

システィーナ礼拝堂にて 〜最後の審判〜

前回、天井画を描いたミケランジェロは描き終わると、すぐにフィレンツェに帰ってところまで書きました。

 

それから23年後、今度は教皇クレメンス7世からお声がかかって再びバチカンに戻り、5年間かけて「最後の審判」を描きました。

システィーナ礼拝堂は、撮影禁止なので写真はもちろん、大声も出してはいけないところですが、とにかく大きな絵です。

見学者はこの絵の右下に入り口があって入場します。

f:id:syuzoku_524:20191019150751j:plain

最後の審判

 

現在の絵は、1980年から行われた大掛かりな修復作業後の絵ですが、過去の修復作業で塗り重ねられた絵の具(要するに厚化粧状態だったのですね。)を取り除いて、オリジナルに近い状態にしたのちに、修復したとのことで、最も当時の絵の状態に近い形で見ることができる絵だそうです。

 

ところで、

天井画を描いた後、20年以上が経過してから最後の審判を書き始めるまでに、彫刻家として更に成長したミケランジェロは、自分の描く絵の好みが肉体派の絵に変化しています。

 

確かに真ん中のキリストの体格もがっちりしていますね。

とはいえ、旧約聖書によると、キリストは石工の棟梁だったそうですから、実際もこの絵のようにがっちりした体格だったのではないでしょうか?

 

当初、この絵の登場人物は下半身が露骨に描かれている者が多かったそうです。

見る者にとってはかなりセンセーショナルな作品だったので、後年、修復の際に別の芸術家がミケランジェロの作品はできるだけ残しつつ、最低限の部をは隠したのがこの絵です。

 

この絵の中に実在の人物が一人いるそうですがご存知ですが?

 

正解は礼拝堂の入り口のすぐ上(絵画から見ると右下)の男が実在の人間です。

(体にベビが巻きついている男)

彼はミケランジェロ最後の審判を製作している途中に見学に来て、あまりにも破廉恥(下半身丸出しの絵が多いので)な絵であったために教皇に報告、手直しを加えるよう要求したことでミケランジェロと口論、怒り狂ってミケランジェロは彼を最後の審判の絵に描きこんだそうです。

 

よく見ると大事なところがベビの頭で隠されているように描かれています。

 

しかし、ミケランジェロが描いたオリジナルの絵はなんと、

ベビがこの男の大切な一物にガブリと噛み付いているのだそうです…

 

ミケランジェロ変わった人で弟子もあまり取らなかったそうですが、芸術家に嫌われると未来永劫、大変なことになりますね。

 

弥栄