長い梅雨が明けて暑い日が続いていますね。
終戦記念日も近づいているのでこの本を紹介します。
「五月の蛍」という本をご存知ですか?
私のような世代ですと、『戦争、蛍』と聞くと「いやだ。神風特攻隊?」と考える方が多いかと思いますが、この話は特攻隊の話ではありません。
この芙蓉部隊は美濃部正少佐(旧姓は太田)が設立した部隊です。 彼は真珠湾攻撃から海軍の戦闘機乗りとして活躍しますが、ミッドウェイ海戦〜ソロモン諸島で手痛い敗北を経験します。
戦況の悪化を肌で感じた美濃部少佐は、夜間に空母や基地を攻撃する夜襲部隊の設立を提案しますが、当時の硬直した上層部からは受け入れられません。むしろ戦況の悪化を受けて、上層部は戦闘機に爆弾を抱えさせて敵艦船に体当たりする「カミカゼ」が採用されていきます。
その中で一人、特攻隊に異議を唱えて上層部に対して反論、左遷状態になって日本に戻されるものの、最終的に夜襲部隊を設立する許可を得て、「夜襲攻撃隊専門の芙蓉部隊」を設立、鹿児島にある大隅町の岩川を秘密基地として米軍に悟られることなく終戦まで日本を守り抜きました。
私は、最近まで特攻は本当に日本を守っていくための最終手段として軍の上層部が決定した究極(といってもできれば避けたい)の案だと思っていましたが、この芙蓉部隊の様に夜襲攻撃隊として何度も出撃して米艦隊を攻撃・大打撃を与えていたことは驚きでした。 海軍・陸軍全体がこうした作戦を導入していたら戦局はもう少し違ったものになったかもしれませんし、今後は大東亜戦争で日本がどの様に戦って負けたのかに関して新しい情報が出てくることを期待したいと思います。
この話を戦時下における組織のあり方に焦点を当ててを読み進めていくと、
今の多くの企業においても硬直した組織、考え方に固執するマネジメントが部下からの新しい意見を受け入れることなく、今迄通りの経営方針を推し進めていくことで、業績が悪化・経営が立ち行かなくなる様子とダブってしまったのは私だけでしょうか?
何十年か後に、日本の大手企業が全て外資に侵食されてなくなってしまい振り返った時に、大東亜戦争時の軍の組織と戦後の日本の企業の組織が共通していたことが日本が没落した原因だ。なんて本が出るとイヤですね…
今日も英霊に感謝の気持ちを込めて
弥栄。